中性子は、光速に近い速さまで加速された陽子を、 標的となる金属の原子核に衝突させると、 標的の原子核が壊されて発生する二次粒子です。 大きさは原子のサイズ(1億分の3cm程度)の更に10万分の1という極めて小さな粒子です。
中性子は電気をもたない粒子であるため、 ほかの物質と電気的な力をおよぼし合うことなく物質内部に深く入り込めます。 一方で中性子は微小磁石の性質も帯びているので、 物質の磁気的性質と力をおよぼし合いその情報を教えてくれます。 また、中性子は水素やリチウムなど軽い元素を検出しやすいという特徴を持っています。 これらの性質を利用して、 調べたい物質(試料)に中性子ビームをぶつけて中性子があたった状態を調べると、 物質の表面付近だけでなく内部の状態を知ることができます。